ACミランがメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスを完全移籍で獲得。日本代表上田綺世選手への影響は?

ACミランは2月3日、フェイエノールトに所属していたメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネス(23歳)を完全移籍で獲得したことを正式に発表しました。この記事ではヒメネスの移籍の内容と経歴、日本代表上田綺世選手(26歳)への影響について記しています。

契約内容と移籍金の詳細

ヒメネスの契約期間は2029年6月30日までの4年半。背番号は先月ガラタサライへレンタル移籍したスペイン代表FWアルバロ・モラタが着用していた「7」に決定しました。

オランダメディア『AD』によると、ミランがフェイエノールトに支払った移籍金は約3500万ユーロ(約55億5000万円)で、イタリアの『スカイスポーツ』は3200万ユーロ(約51億円)+ボーナスと報じています。

この金額は、将来の成果次第で変動する可能性があると見られています。

サンティアゴ・ヒメネスの経歴とプロフィール

経歴

ヒメネスはメキシコの名門クラブ、クルス・アスルの下部組織で育ち、2017年8月30日にコパ・メヒコのグループリーグ、UANLティグレス戦でプロデビューを果たしました。

その後、2019年8月28日にリーガMXのクラブ・ティフアナ戦でリーガMX初出場を果たし、2020年2月2日のデポルティーボ・トルーカFC戦では前半2分にプロ初ゴールを挙げました。

2022年7月29日にはフェイエノールトに移籍。契約期間は4年間で背番号は29番に決定しました。

移籍初年度の2022-23シーズンでは公式戦45試合に出場して23得点を記録し、クラブの6シーズンぶりのエールディヴィジ優勝に大きく貢献。2023年8月3日にはクラブとの契約を2027年まで延長しました。

特筆すべきは、2023年9月24日に行われたアヤックスとのデ・クラシケルでの活躍です。

この試合でヒメネスは2ゴールを挙げ、試合は3-0とフェイエノールトがリードしていたものの、アヤックスサポーターによる発煙筒や花火の投げ込みで試合が中断されました。

9月27日に再開された試合では、後半14分に追加ゴールを挙げてハットトリックを達成し、フェイエノールト史上初めてアウェーのアヤックス戦でハットトリックを達成した選手となりました。

さらに、2023年10月25日のUEFAチャンピオンズリーグのSSラツィオ戦でCLデビューを果たし、2ゴールを挙げて勝利に貢献。

フェイエノールト在籍中の2年半で公式戦105試合に出場し、65ゴール14アシストという驚異的な成績を収めています。

今シーズンも負傷による一時的な離脱がありながらも、19試合で16ゴールを記録し、その得点力の高さを改めて証明しました

プロフィール

  • 本名:サンティアゴ・トーマス・ヒメネス
  • 国籍:メキシコ・アルゼンチン・イタリア
  • 生年月日:2001年4月18日
  • 出身地:アルゼンチン(ブエノスアイレス)
  • 身長:182cm
  • 現在籍チーム:ACミラン
  • ポジション:FW
  • 背番号:7
  • 利き足:左足

代表

  • 2016年:メキシコ U-16代表)
  • 2021年~:メキシコ代表

日本代表FW上田綺世選手との関係

ヒメネスは、日本代表FW上田綺世選手とフェイエノールトでポジションを争ったライバルでもありました。

上田選手が加入した後もレギュラーの座を守り続け、チームの絶対的なエースとして君臨。2シーズン連続で2桁得点を達成し、その存在感を示しました。

ACミランでの新たな挑戦

ミランでは、アルバロ・モラタの後釜として期待がかかるヒメネス。

メキシコ代表としても32試合に出場し3ゴールを挙げている彼が、イタリアの地でどれだけのインパクトを与えるか注目が集まります。

ミランの新たな得点源として、セリエAやヨーロッパの舞台での活躍が期待されています。

移籍の決定に至るまでには、1月30日のCL第8節リール戦で負傷交代するという不安要素もありましたが、無事にメディカルチェックを通過し契約が成立。

フェイエノールトでの成功を糧に、ミランでの新たな挑戦が始まります。

上田綺世選手への影響は?

ヒメネス移籍で訪れるチャンスと試練

オランダ1部リーグのフェイエノールトに所属する日本代表FW、上田綺世選手にとって、大きな転機を迎えようとしています。

チームの主力センターフォワードであるヒメネスのACミランへの移籍が決定し、その結果、上田選手がスタメンに昇格する可能性が高まっています。

しかし、このチャンスは同時に彼に対する厳しい評価とプレッシャーも伴っています。

クラブOBの辛辣(しんらつ)な評価

オランダメディア『Rijnmond』によれば、フェイエノールトのOBであるジャンポール・ファンハステル氏(52歳)は、上田選手に対して厳しいコメントを残しています。

「上田はストライカーではない。彼はゴールに背を向けた状態でのプレーが苦手だ。フィジカルの強さに欠け、試合の流れを読むずる賢さも不足している。ストライカーは攻撃の起点となるべき存在だが、彼にはその役割を果たすことができない。」

このようなコメントは、上田選手が現地で直面している厳しい評価の一例です。特に、ポストプレーやボールキープ力の不足が指摘されており、フィジカル面での課題も浮き彫りになっています。

もう一人のOBも同様の意見

さらに、フェイエノールトの元FWであるハリー・ファンデルラーン氏(60歳)も『FC Rijnmond』で上田選手に対する不満を述べています。

「上田はストライカーとしての資質に欠けていると感じる。彼はボールを保持する力が弱く、しばしば簡単にボールを失ってしまう。そのため、前線のターゲットマンとしての役割を果たすのは難しい。むしろ、ストライカーの周囲でプレーし、サポートに回るタイプの選手だ。」

ファンデルラーン氏は、上田選手をセンターフォワードとしてではなく、セカンドトップの選手として評価しているようです。特に、ボール保持能力やポストプレーの不足が目立つとされています。

バイエルン戦での一撃が示す可能性

しかし、上田選手はUEFAチャンピオンズリーグのバイエルン戦で強さを示すゴールを決めています。

このゴールについてファンデルラーン氏は「事件」と表現しましたが、これはネガティブな意味合いではなく、彼の現在のOBの評価を良い意味で裏切った驚きのゴールだったとも解釈できます。

上田選手が今後もこのようなパフォーマンスを継続できれば、現地での今後の評価も自然と変わっていくことでしょう。

ストライカーとしての資質を疑問視されている中で、実際にゴールという結果を出し続けることが、彼の評価を覆す最も確実な方法です。

これからの課題と期待

上田選手にとって、さらなるフィジカル面の強化とポストプレーの向上が今後の課題となるでしょう。また、攻撃の起点としての役割を果たすための戦術理解や、状況に応じたプレーの選択肢を増やすことも重要です。

フェイエノールトでの評価は厳しいものの、彼にはそれをくつがえすだけのポテンシャルがあります。

サンティアゴ・ヒメネス選手の移籍により訪れたこのチャンスを最大限に活かし、チームの中心選手としての地位を確立できるかが注目されます。

上田選手のこれからの活躍に期待が高まります。

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