レアル・ソシエダの久保建英選手の弟であるMF久保瑛史選手(17歳)が、この度J1セレッソ大阪への加入しました。この記事ではその内容と久保瑛史選手の特徴・プレースタイル・プロフィール等について記述しています。
久保瑛史選手がセレッソ大阪へ
2025年8月21日、J1のセレッソ大阪がMF久保瑛史(えいじ)選手(17歳)の加入を正式に発表しました。背番号は「26」に決定し、クラブの一員として新たなスタートを切ることになりました。
久保瑛史選手はクラブを通じて「一日でも早くセレッソ大阪の一員としてチームの力になれるように、そして勝利に貢献できるように頑張ります」と力強くコメント。加入発表時には「こんにちは!背番号26、久保瑛史です。今回セレッソ大阪に加入することができてとても嬉しく思っています」とファンへ向けてメッセージを送りました。
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— セレッソ大阪オフィシャル (@crz_official) August 21, 2025
(Xより引用)
学業とサッカーの両立
久保瑛史選手は2007年9月2日生まれで現在17歳。身長180cm、体重73kg、右利きのボランチとしてプレーするプレーメーカーです。これまでスペイン1部・レアル・ソシエダの下部組織で3シーズンにわたり研鑽を積んできました。
スペインメディア「ノティシアス・デ・ギプスコア」によると、この夏に「学業の面で重大な決断を下す必要があった」と報じられており、学業の選択が帰国と移籍の大きな要因だったとされています。学業とサッカーの両立を模索した結果、日本に戻り、C大阪でプロとしての道を歩み始めることを選んだのです。
背番号「26」の意味
今回の移籍において注目を集めているのが背番号「26」です。この番号にはさまざまな縁と歴史が刻まれています。
まず兄である久保建英選手がスペイン・マジョルカ時代に背負った番号が「26」でした。建英選手にとって欧州デビューの象徴ともいえる番号であり、弟・瑛史選手もまた同じ背番号で新たな挑戦を始めることになります。
さらにセレッソ大阪では、かつて香川真司選手が10代の頃にこの番号を背負い、大きく飛躍しました。香川選手は2007年に背番号26でJ2リーグに挑戦し、翌年には得点を量産。やがてクラブのエース番号「8」を託され、海外挑戦へと歩を進めました。また、山口蛍選手もこの番号を背負い、その後日本代表のボランチとして成長しました。
「26」はセレッソ大阪における“出世番号”ともいえるものであり、瑛史選手にとってキャリアの飛躍を象徴する番号になりそうです。
兄・久保建英選手との比較
兄の久保建英選手は、攻撃的なアタッカーとしてFC東京からレアル・マドリード、そしてスペインでのキャリアを切り開きました。一方、弟の瑛史選手は180cmの恵まれた体格を生かした守備的MF。中盤の底から試合を組み立てるタイプで、元日本代表MF遠藤保仁選手のように“チームの舵取り役”としての役割が期待されています。
そのプレースタイルは兄とは対照的ですが、いずれも「ボールを扱う技術」と「試合を読む力」に秀でている点は共通しています。攻撃で違いを生む兄と、中盤から安定感をもたらす弟。兄弟そろって世界を舞台に活躍する日が待ち遠しいところです。
練習参加から公式戦デビューへ
久保瑛史選手はすでにセレッソ大阪の練習に合流しており、チームの戦術理解や連携構築に取り組んでいます。早ければ8月23日に行われるヴィッセル神戸戦(ヨドコウ桜スタジアム)で出場登録が完了する見込みとされており、Jリーグデビューが間近に迫っています。
ただし、中盤には香川真司選手、田中駿汰選手ら実力者が揃っており、定位置争いは決して簡単ではありません。しかしその競争こそが若手の成長を促す環境でもあります。瑛史選手がどこまで存在感を発揮できるかが注目されます。
スペインでも注目
この移籍は日本国内のみならず、スペインでも大きな話題となりました。現地メディアは「最終的にソシエダの下部組織に残るか、母国に戻るかの選択を迫られた」と報道。結果として日本行きを選んだことが、久保瑛史選手の新たなキャリアの出発点となりました。
また、兄・建英選手の去就が欧州メディアで注目される中、「弟の選択は兄のキャリアに影響を与えるものではない」と強調されています。瑛史選手自身が独自のキャリアを築いていくことに期待が寄せられています。
新たな才能への期待
セレッソ大阪はこれまでも多くの若手を育成し、世界へと送り出してきました。香川真司選手、南野拓実選手、乾貴士選手など、数々の選手が桜のユニフォームを経て欧州へ羽ばたいていきました。
久保瑛史選手もまた、その系譜に連なる存在になる可能性を秘めています。兄と同じようにスペインで培った経験を武器に、日本から世界へと歩み出す日が近づいているのです。
久保瑛史選手のセレッソ大阪加入は、単なる新戦力の補強にとどまらず、日本サッカーにとって大きな意味を持つ出来事です。背番号26に託された歴史と期待、そして兄・建英選手との比較を超えて、自らのプレースタイルを確立できるか?
まだ17歳の若き才能が、Jリーグの舞台でどのような成長を遂げるのか。ファンとしてはデビュー戦の瞬間を心待ちにせずにはいられません。
久保瑛史選手の特徴とプレースタイル
強いフィジカルとボール奪取力
久保瑛史選手の大きな特徴のひとつは、そのフィジカルの強さです。まだ17歳という年齢ながら、180cmの恵まれた体格を持ち、コンタクトプレーに強さを発揮します。
セントラルミッドフィルダーというポジションは、守備と攻撃の切り替えを司る“司令塔”の役割を担います。相手の攻撃を食い止めながら、素早く攻撃に転じる判断力とボール保持の安定感が求められるのです。
瑛史選手は、相手のプレスを受けても絶妙な体の入れ方でボールを守り、落ち着いて次のプレーにつなげます。背中で相手をブロックしながら冷静にボールをキープする姿は、同世代の中でも際立つ存在です。まさに「ボールを失わない強さ」を武器に、ピッチの中央で存在感を放っています。
スペイン紙『Relevo』も「この兄弟からボールを奪うのはかなり難しい」と評しており、兄・建英選手と共通するボール保持力が評価されていることがわかります。
高精度のパスと広い視野
久保瑛史選手のもう一つの大きな武器は「高精度のパス」です。
彼のプレーを見ていると、短いパスひとつにも工夫が込められていることがわかります。受け手が次のプレーにスムーズに移れるよう、優しいパスを足元に届ける。そうした細部への意識が、彼のプレーを支えています。
また、ロングパスの精度も高く、相手ディフェンスラインの裏へ通す一本のボールで決定機を作り出すことができます。周囲をよく観察し、攻撃のスイッチを入れる縦パスを選択できる点は、チームにリズムをもたらす重要な能力です。
この「広い視野」と「パスの質」は、兄・建英選手にも通じるサッカーセンスを感じさせます。兄が前線で違いを生み出すタイプであるのに対し、弟は中盤でリズムを操るタイプ。プレースタイルは異なっていても、根底にある技術の高さは兄弟共通の強みといえるでしょう。
状況判断の速さと正確さ
瑛史選手のプレーをさらに際立たせているのが、状況判断の速さです。試合中、相手のプレスを受けた際にリスクを回避しながら的確にボールをさばく姿は、まるで経験豊富なプロ選手のようです。
例えば、相手が激しく寄せてきた場面でも、素早く味方に預けることでボールロストを防ぎます。守備時には的確にスペースを埋め、攻撃では味方をフォローするポジションをとる。こうした動きの一つひとつに、ゲームの流れを読んでいる冷静さが表れています。
「セントラルミッドフィルダーの理想形に近づきつつある」と評されるのも納得で、若手ながら試合を俯瞰する力を持ち合わせているのです。
スビメンディ型の「ピボーテ」
スペイン紙『Relevo』は、瑛史選手を「スビメンディ型のピボーテ」と評しました。「ピボーテ」(pivote)は、スペイン語で「旋回軸」「支点」を意味し、サッカーやフットサルにおいて中盤の底に位置し、攻守の起点やリズムを作りボールを循環させる重要な役割を担う選手を指します。現在ソシエダの中盤を支えるマルティン・スビメンディのようなタイプの選手を指します。
兄の建英選手は前線でゴールやアシストを生み出すアタッカータイプですが、瑛史選手はゲーム全体をコントロールする「ピボーテ」としての役割を担います。守備的なポジションから試合を操るその姿は、派手さはないものの、チームの安定感を支える極めて重要な存在です。
「兄と異なるスタイルだが、唯一の共通点はボールを奪うのが難しいこと」とも報じられており、彼のボール扱いの巧みさは国際的にも注目されています。
フィジカル面と家族の影響
兄・建英選手は小柄ながらも下半身の強さを武器としていますが、弟の瑛史選手は父親似で長身の体格を持ち、スリムながらもフィジカルに優れています。この違いが、両者のプレースタイルの違いに直結しているともいえます。
また、幼少期から兄とともにソシエダナの下部組織でトレーニングを積んだ経験や、母親の支えのもとでスペイン生活を続けた背景もあり、その基礎技術や戦術理解度はすでに高い水準にあります。
兄の試合を可能な限り観戦し、プレーを学び取る姿勢も持ち続けており、家族からの影響をプラスに変えて成長していることがうかがえます。
日本から世界へ
久保瑛史選手の特徴をまとめると、
- 強靭なフィジカルと的確なボール奪取力
- 高精度のパスと広い視野
- 状況判断の速さと冷静さ
- スビメンディ型の「ピボーテ」としての資質
これらが挙げられます。まだ17歳ながら、すでにプロレベルの落ち着きと技術を備えており、Jリーグの舞台でどのような成長を見せるかに大きな期待が寄せられます。
兄・建英選手と異なるスタイルを確立しながらも、同じく「ボールを失わない強さ」を持つ瑛史選手、今後 日本代表や欧州の舞台でその才能が開花する未来が楽しみでなりません。
久保瑛史(くぼ・えいじ)選手のプロフィール・経歴
- ポジション:MF
- 生年月日: 2007年9月2日(17歳)
- 出身地:神奈川県
- 身長/体重:180cm/73kg
- 経歴:横浜FMプライマリー→横浜FM U-15ジュニアユース→ソシエダユース(スペイン)→ソシエダ フベニールB(スペイン)→セレッソ大阪
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