三笘薫選手が中村憲剛氏とNHKサンデースポーツで対談!プレミアリーグ3季目の現在地を語る

ブライトンの日本代表MF三笘薫選手が1月26日放送のNHKサンデースポーツで、中村憲剛氏とリモート対談しました。その内容は三笘選手の「プレミア3季目の現在地」で選手として成長した部分を語っています。この記事は対談の具体的な内容と筆者「銀あし」の感想を記しています。

三笘薫選手のプレミア3年目の変化

世界最高峰の舞台、イングランドプレミアリーグで活躍を続ける三笘薫選手。彼の代名詞とも言えるのは、見る者を魅了するドリブルです。

しかし、かつて共にプレーした中村憲剛氏は、今シーズンの三笘選手に変化が起きていると感じていました。

それは、ドリブル突破の回数が以前に比べて減っているということでした。プレミアリーグ3シーズン目を迎えた三笘選手に一体何が起きているのか、その現在地に迫ります。

「間違いなく成長している」:三笘選手の言葉

対談の中で、三笘選手は自身の変化について力強く語りました。

「ドリブルが減ったと思われても仕方ないかなと思ってますけど、間違いなく成長しています。」

と。この言葉には、ドリブル以外の部分で自身が大きく成長しているという確信が込められていました。

プレミアリーグ3年目:対策とレベルの上昇

中村氏は、プレミアリーグ3年目を迎えた三笘選手に対し、

「プレミアム3年目に入ってやっぱり対策っていうのは当然されていると思うんですけど、それは感じますか?」 と質問。

これに対し、三笘選手は

「毎年プレミアリーグのレベル自体は上がっているなという印象を持っています。サイドバックの選手も、各国の代表のスタメン級の選手がいる中で、コンディションいい時はいい仕掛けができたりっていうところはありますね。」

と、リーグ全体のレベルが上がっていることを実感していると語りました。

成長を実感するポイント:守備の強化

中村氏が

「薫がいまぱっと思い浮かぶ、『自分の幅が広がったりとか、プレースタイルで武器が増えたなみたいな』シーンで、今シーズンで言うと何かありますか?」 と尋ねると、

三笘選手は迷わず

「一番は守備のところですね。」

と答えました。今シーズンここまで5得点と、過去最速のペースでゴールを積み上げている三笘選手ですが、最も成長を実感しているのは攻撃ではなく、意外にも守備面だったのです。

監督の要求と成長への繋がり

三笘選手は、

「昔だったら、いい状況でボールを受けて仕掛けるだけでした。強豪国やビッグチームはもちろん攻撃の比率が増えますけど、今のところそういうところでプレーしてるわけではないので、まあそこをやるしかないって思ってます。」

と、現在のチーム状況と自身の役割について説明。 守備を強く意識するようになったのは、今シーズンから指揮を執るファビアン・ヒュルツェラー監督の影響が大きいと言います。

これまで以上に守備での貢献を求められるようになったことが、自身の成長に繋がっていると前向きに捉えているようです。

三笘選手は

「前の監督よりもより走らないといけないっていうところが増えているので、その分個人の選手としては本当に成長できる監督かなと思ってます。」

と、監督への信頼を語りました。

理想的なゴールシーン:攻守両面での進化

中村氏は、三笘選手が自陣でボールを奪い、そこから約80mを走り抜けてゴールを決めたシーンを挙げ、

「自陣でちゃんと戻ってから守備、出発、そこから出てって最終的に薫が、決めたゴールがあるんですけど、あれはなんかちょっと理想的なところがある」と称賛。

このプレーについて、三笘選手は

「そうですね。あれが理想なゴールかなと思います。ほとんど全部の局面が変わってますし。まあ、それを毎回できればもっともっと評価されるかなと思ってますけど、まあそこが1試合・数試合だけだとまだまだだなと思っているので、それを増やして行くことかなと思ってます。」

と、更なる高みを目指す姿勢を見せました。

対談への筆者(銀あし)の感想<守備面>

今シーズン、三笘薫選手はやはり、守備面でも大きな進化を遂げていると思います。

特にプレスバックの進路取りや緩急のつけ方がより洗練され、相手からボールを奪い切る場面が増加しました。

その結果、守備から攻撃に切り替わる際の動きもスムーズになり、攻守両面でチームに欠かせない存在感を発揮していると思います。

三笘選手自身も、以前、守備面での進化の背景には監督の厳しい要求があると明かしていました。

特にブライトンの選手たち全員が、この「守備の強度」を求められている点について語っていました。

現在の監督の求める守備基準は、前任のロベルト・デ・ゼルビ監督時代と比較してもさらに厳しいものだと三笘選手は感じているとようです。

特にウイングバックとしての守備の役割についても高いレベルが要求されており、「監督は後ろでの守備も求めているので、それは代表にも活きる」と述べ、ブライトンでの経験が日本代表でのパフォーマンス向上にもつながるとの見解を示しています。

新たな武器:ストライカーのような動き

一方、攻撃面でも中村氏は三笘選手の成長を感じた場面がありました。それは、ストライカーのような動きでゴールを奪ったプレーです。

中村氏は

「正直、クロスに対してヘディングシュートを決める三笘薫をあんまり見たことない」と驚きを表現。

これに対し、三笘選手は

「もっと増やしてもいいのかなと思いますし、ワンタッチでゴールを増やすシーンを増やさないとなぁっていうのは思っているので。仕掛けだけじゃなくてオフザボールとかもっともっと磨いていかないかなと思っています。」

と、ドリブル以外の武器を磨いていることを明かしました。

このプレーでは、クロスが上がる直前に相手のマークを外してゴールに繋げており、プレミアリーグ3シーズン目にして、ドリブルに加え様々な武器を身につけていることが証明されました。

ジレンマと成長の実感

中村氏は

「どうしたってドリブルの仕掛けが鮮烈すぎるので、あなたもそこはなんかずっとジレンマ抱えてるんだろう最近っていうふうに思っていた。なのでちゃんと話を聞けて、僕自身はすごくすっきりしている。」 と、三笘選手の心境を慮りました。

三笘選手は

「幅が広がればドリブルの機会も減ったふうに思うかもしれないですし、もちろん一年目はドリブルばっかしてたような印象です。減ったと思われても仕方ないかなと思ったんですけど、自分自身の選手としての幅というのは間違いなく成長していると思います。」

と、ドリブル回数は減ったかもしれないが、選手としての幅は確実に広がっていると力強く語りました。

対談への筆者(銀あし)の感想<攻撃面>

三笘選手の得点位置を分析すると、全得点(1月19日現在の15得点)の87%(13点)がペナルティーボックス内からのものとなっています。

特に今シーズンの5得点はすべてワンタッチゴールであり、ゴール前での嗅覚とポジショニングの良さが際立っていると思います。

これまでチャンスメークの多くをドリブルで担ってきた三笘選手ですが、このデータから、ボックス内での動きや駆け引きといったストライカー的なスキルが大きく進化していることがわかります。

彼のプレーは、攻撃の幅を広げ、より多様な形でゴールを狙うものへと成長しているようです。

英語で「Fox in the box(フォックス・イン・ザ・ボックス)」と呼ばれるプレースタイルは、ゴール前で狡猾に現れるストライカーを指します。

三笘選手のプレーも、まるでずる賢いキツネのように相手守備陣をかいくぐり、決定的な瞬間にゴール前で存在感を発揮しています。

ゴールを狙うだけでなく、味方にスペースを作る動きも巧みな三笘選手のプレーは、単なるドリブラーにとどまらず、得点力を兼ね備えた選手としての進化を見せています。彼のさらなる成長に期待が高まります。

対談後の出演者からの評価と今後の期待

対談後、水谷隼氏(番組ゲスト・元卓球日本代表)は

「活躍しているのに、まだまだ自分の結果に満足してない。この向上心がさらに三笘選手を強くするんだなっていうのを強く感じましたね。」と、三笘選手の向上心を評価。

中村氏は、「三笘選手の成長が日本代表にとっても大きな意味を持ちます。彼が色んなポジションできるので、チームの戦術の幅も広がるし、攻守で戦う姿が今やってるの他の選手の刺激にもなるかなと思います。」と期待を寄せました。

最後に、中村氏は三笘選手に対し

「まだ27歳ですからね。めちゃくちゃ若いと思いますし、伸びしろしかないと思います。どこまで行くのか、僕自身も楽しみにしています。」 とエールを送りました

コメント