日本代表MF堂安律選手(27歳)が、ドイツ・ブンデスリーガ1部のアイントラハト・フランクフルトに完全移籍することが正式に決まりました。この記事ではその詳細について記載しています。
移籍決定までの流れ
日本代表MF堂安律選手(27歳)が、ブンデスリーガ1部・アイントラハト・フランクフルトへの完全移籍を正式に発表しました。契約は2030年6月までの長期5年契約で、背番号はクラブの象徴的存在だった長谷部誠氏の「20」に決定。この数字にはクラブの信頼と期待が込められています。
今回の移籍は、実は数カ月前にはすでに本人の中で決意が固まっていたと言います。堂安選手は移籍発表の場で「何カ月も前から心はフランクフルトに向かっていた」と明かし、あとはクラブ間交渉の成立を待つだけの状態でした。交渉が長引いた最大の理由は、移籍金額をめぐる攻防でした。
Ritsu Dōan 🤝 Makoto Hasebe
Same number. Same Country. New Story 🇯🇵#SGE pic.twitter.com/RphfCNgZcy— Eintracht Frankfurt (@eintrachtint) August 7, 2025
(Xより引用)
移籍金の背景
フライブルクは、堂安選手の活躍と市場価値を踏まえ、最低でも2000万ユーロ(約34億5000万円)という高額を要求。最終的に2100万ユーロ(約35億円)+出来高100万ユーロで合意に至りました。この総額約37億円は、今夏のブンデスリーガ国内移籍の中でもトップクラスの規模です。
交渉が急加速した背景には、フランクフルトがフランス人FWウーゴ・エキティケ選手をリヴァプールへ完全移籍させ、9500万ユーロ(約164億円)という巨額の資金を手に入れたことがありました。この売却益が堂安選手獲得の原資となり、クラブは即座に本格的なオファーを提示。堂安選手にとっても、長期契約とCL出場という魅力的な条件が揃い、移籍は一気に成立へと向かいました。
フランクフルトの近況
アイントラハト・フランクフルトは1899年創設の伝統あるクラブで、ブンデスリーガ優勝(1959年/当時は前身リーグ)やDFBポカール制覇、そしてヨーロッパリーグ(旧UEFAカップ)優勝など、国内外で確かな実績を残してきました。
近年では2018年のDFBポカール優勝、そして2021-22シーズンのUEFAヨーロッパリーグ制覇が記憶に新しいところです。特にEL決勝では、ラミン・コスティッチ、鎌田大地選手らが躍動し、PK戦の末にレンジャーズを撃破。長谷部誠氏も守備の要としてフル出場し、クラブの歴史に新たな1ページを刻みました。
日本人選手との縁
フランクフルトはこれまでも日本人選手との縁が深いクラブです。長谷部誠氏は2008年にドイツへ渡って以降、ヴォルフスブルクを経て2014年からフランクフルトに加入。守備的MFやリベロとして9シーズンにわたり活躍し、ドイツ国内外で高い評価を受けました。
また、鎌田大地選手も2017年から所属し、EL優勝やCLベスト8進出に貢献。今回、堂安選手が「20番」を受け継ぐことは、こうした日本人の成功の系譜を引き継ぐ意味合いがあります。
戦術と堂安選手の役割
フランクフルトは、ディノ・トップメラー監督のもと、基本的に4-2-3-1または3-4-2-1を併用する柔軟な戦術を採用しています。攻撃ではサイドアタッカーが幅と推進力を担い、内側へのカットインや2列目からの飛び出しでゴールを狙います。堂安選手が最も輝くのは、右サイドから左足で中央へ切り込み、ミドルシュートやスルーパスを繰り出す形。これは現行の戦術において非常に重要な役割で、監督は堂安選手を「得点力と創造性を兼ね備えたサイドプレーヤー」として即戦力起用する見込みです。
守備面では、堂安選手がフライブルク時代から見せてきたハードワークとプレス強度が評価されています。トップメラー監督の戦術では、前線からの守備で相手のビルドアップを寸断することが重要であり、攻守両面での貢献が求められます。
日本代表での影響
堂安選手は2024-25シーズン、ブンデスリーガ全34試合出場・10ゴール8アシストと、攻撃面での数字を大きく伸ばしました。この成績はキャリアハイであり、同リーグでもトップクラスのサイドアタッカーとして評価されています。
日本代表においては背番号10を背負い、森保ジャパンの攻撃の軸の一人です。しかし、2024年6月のインドネシア戦では久保建英選手が10番を着用し1ゴール2アシストと存在感を見せ、代表内のポジション争いは激化しています。フランクフルトでの活躍は、代表での序列や役割にも直結する重要な要素になるでしょう。
新天地で迎えるシーズン
ドイツ国内での移籍であるため、言語や生活環境の変化はほとんどなく、適応への時間も最小限で済みます。結婚披露宴を終えて精神的にも安定しており、コンディション作りに集中できる状況です。
堂安選手は「チームとともに歴史に残る成果を成し遂げたい」と抱負を語っています。ブンデスリーガでの上位争い、そして自身初となるUEFAチャンピオンズリーグ本戦での躍動が期待されます。フランクフルトはグループステージ突破、さらには上位進出を目指しており、堂安選手は攻撃のキーマンとしてその挑戦を支えることになります。
2025-26シーズンは、日本サッカーファンにとっても大きな注目の年になるでしょう。ドイツの地で、堂安律選手がどこまで飛躍を遂げるのか。彼のプレーが日本代表、そしてクラブの未来を変えていく瞬間を、私たちはこれから目撃することになります。
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