日本代表MF伊東純也選手の、スタッド・ランスからベルギー1部ゲンクへの復帰が決定しました。この記事ではその内容について記しています。
古巣ゲンクへの完全移籍決定
日本代表MF伊東純也選手(32)が、フランス2部のスタッド・ランスからベルギー1部のKRCゲンクへ3年ぶりに復帰することが、8月9日にクラブから正式発表されました。移籍金は300万ユーロ(約5億1000万円〜5億1500万円)と報じられ、契約期間は3年。背番号はクラブのスター選手が歴代で背負ってきた「10番」に決まりました。
今回の復帰について、伊東選手はゲンク公式サイトで「興味を持ってくれていると聞いて、すぐに決断した」とコメント。クラブは公式発表の際に「ジュンヤ、お帰りなさい!」と題したオリジナル動画を公開し、熱烈な歓迎ムードを演出しました。
移籍を決めた理由
伊東選手はスタッド・ランスでは3シーズンにわたってプレーし、公式戦106試合に出場、13得点18アシストという数字を残しました。しかし、今季はスタッド・ランスの2部降格を受けて移籍の可能性が高まっていました。契約は残り1年となっており、クラブは資金確保の必要性から放出を検討していたとみられます。
8月2日に行われたガンバ大阪との親善試合後、伊東選手は「何も決まってないので、どこにいくかは言えないですけど、出ることは出るかなと思う」と移籍を示唆。欧州5大リーグでのプレーにこだわりもあったものの、「下位クラブだと条件が悪くなる。年齢も年齢なので条件の良いところを選びたい」と語り、現実的な選択を重視した姿勢を見せていました。
今回の移籍は、本人の希望とクラブ側の事情が一致した形で成立。馴染みのある環境で再び欧州トップレベルの舞台に立つことを決断したと言えます。
ゲンク時代の実績と信頼
ゲンクは伊東選手にとって特別なクラブです。2019年2月にJ1柏レイソルから期限付き移籍で加入し、同年3月には完全移籍へ移行。在籍中の公式戦成績は144試合出場、29得点49アシストを記録し、ベルギーリーグ優勝、カップ戦制覇、スーパーカップ優勝と数々のタイトル獲得に貢献しました。
特に2021-22シーズンにはリーグ16アシストを記録してアシスト王に輝き、年間ベストゴールにも選出されるなど、攻撃の核として不可欠な存在となっていました。こうした過去の貢献を踏まえ、クラブは復帰にあたって象徴的な背番号10を託しました。
ゲンクは「ジュンヤがこれまでクラブにもたらした貢献を称えるものであり、同時に今後の活躍への信頼の証でもある」と説明し、「彼の経験、スピード、華麗なプレーは、再び青と白のユニフォームの攻撃陣のキープレーヤーとなる可能性を秘めている」と大きな期待を寄せています。
Welcome BACK HOME, Junya Ito ❤️
He won the Pro League and the Super Cup in 2019. The Croky Cup in 2021.
In 144 matches, he scored 29 goals and provided 49 assists as a winger. In August 2022, he left us for Stade Reims.
Now he’s back home where he belongs!
Genkie is back 💙 pic.twitter.com/GSkF2hKw3R
— Aldo (@aldo_peeters_02) August 9, 2025
(Xより引用)
ゲンクの現状と日本人選手
ゲンクは1988年に創設され、ベルギーリーグ優勝4回を誇る強豪クラブです。昨シーズンはリーグ3位で終え、欧州リーグ(UEL)の出場権を獲得。現在は元ヴィッセル神戸監督のトルステン・フィンク氏が指揮を執っており、戦術的再構築を進めています。
今夏には、イングランド2部バーミンガムから期限付き移籍していたFW横山歩夢選手を完全移籍で獲得しており、日本人選手2人が同じピッチに立つ可能性も高まっています。伊東選手にとっても、適応しやすい環境で自身の持ち味を最大限に発揮できる舞台となりそうです。
W杯を見据え再スタート
伊東選手は9月に予定されている日本代表の北米遠征に向けて、新天地でのパフォーマンスが重要になると語っています。左足首の古傷はまだ完治していないものの、「結果を残している人がまた呼ばれると思う。試合に出て活躍したい」と意気込みを見せています。
32歳という年齢で迎える今回の移籍は、キャリアの集大成と次のステップを同時に意識した決断です。2026年のFIFAワールドカップ北中米大会出場を目指す中で、ゲンクでの活躍はその道筋を大きく左右することでしょう。
伊東純也選手のゲンク復帰は、クラブと選手双方にとって「再び勝利と栄光を目指すための再会」です。過去に築いた信頼と実績に加え、背番号10という象徴的な重責を背負う今回の挑戦。彼の経験とスピード、そして勝負強さが再びベルギーの舞台で輝く日を、多くのファンが心待ちにしています。
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