バイエルン・ミュンヘンに所属する日本代表DF伊藤洋輝選手が、現地時間2025年2月15日に行われたブンデスリーガ第22節のレバークーゼン戦でリーグ戦初先発を飾りました。この記事ではその試合の内容と、伊藤選手の特徴・プレースタイル・経歴・プロフィールについて記しています。
バイエルン移籍後、リーグ初スタメン
昨夏に名門バイエルンへ移籍した伊藤選手ですが、プレシーズンマッチで足を骨折し、その後のリハビリを経て、ついにこの大一番で先発のチャンスをつかみました。
試合は首位レバークーゼンと2位バイエルンによる「天王山」とも呼ばれる重要な一戦。
伊藤選手は左サイドバックとして68分間プレーし、持ち前の守備力を発揮しました。
-̈ für ̄
Pack ma’s, Hiroki! #B04FCB #FCBayern pic.twitter.com/ds3O5ci7lJ
— FC Bayern München (@FCBayern) February 15, 2025
ゴールライン上でピンチを救う活躍!
この試合で伊藤選手のハイライトシーンとなったのは、0-0の後半21分。
レバークーゼンのナイジェリア代表MFネイサン・テラがCKから放ったヘディングシュートが枠をとらえましたが、伊藤選手が素早く反応し、ゴールライン上でクリア。
バイエルンにとって決定的なピンチを救いました。
米スポーツ専門局「ESPN」はこのプレーを「バイエルンのゴールラインクリア」と称え、国内外のファンからも「世界クラスの守備」「伊藤がバイエルンを救った瞬間」などと称賛の声が相次ぎました。
GOAL LINE CLEARANCE FOR BAYERN TO KEEP THE GAME LEVEL pic.twitter.com/Qt4bDLgmgk
— ESPN FC (@ESPNFC) February 15, 2025
現地メディアの評価は厳しめ
伊藤選手は守備面で粘り強いプレーを見せましたが、前半39分にはカウンター阻止のためにイエローカードを受ける場面も。
68分に交代するまで安定した守備を披露しましたが、現地メディアの評価はやや厳しめでした。
ドイツ紙『AZ』や『ビルト』はともに採点「4」(ドイツの採点基準では「1」が最高、「6」が最低)と評価し、「ライン上で決定機を防ぐプレーは見事だったが、攻撃面での貢献は少なかった」と指摘しました。
長期離脱を乗り越え新たなスタート
昨年7月の負傷に加え、11月には再手術を受け、長期離脱を強いられていた伊藤選手。
しかし、2月12日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)セルティック戦で途中出場し、公式戦デビューを果たしたばかり。
そして今回のレバークーゼン戦でのリーグ初先発は、まさに復活の第一歩となりました。
伊藤選手自身もインスタグラムで「半年間のリハビリを支えてくれたすべての人に感謝。また新たなスタートをバイエルンで」と意気込みを語っています。
今後の活躍に期待
試合は両チームとも決定機を決め切れず、0-0のスコアレスドローに終わりました。
バイエルンは首位レバークーゼンを追いかける厳しい状況が続きますが、伊藤選手にとっては貴重な経験となったはず。
今後も出場機会を増やし、バイエルンの守備の要として成長を遂げることが期待されます。
次戦は2月19日に控えるチャンピオンズリーグのセルティック戦。
果たして伊藤選手は再び出場のチャンスを得ることができるのか、注目です。
伊藤洋輝選手の特徴とプレースタイル
卓越したビルドアップ能力と正確なロングフィード
伊藤洋輝選手の最大の持ち味は、左足の高精度なロングフィードです。
前線の選手の動き出しに合わせて正確にボールを届ける能力を持ち、特にバックスピンをかけるような独特のキックフォームにより、滞空時間が長く、柔らかいボールを供給することができます。
受け手にとっては非常にコントロールしやすく、攻撃の起点を作る重要な武器となっています。
2023-2024シーズン、シュトゥットガルトではセール・ギラシ(現ドルトムント)やデニズ・ウンダフ(所属元ブライトン)を狙ったロングフィードを積極的に試み、チームの攻撃を支えました。
ブンデスリーガ2位に躍進したチームにおいて、伊藤選手のロングフィードは重要なオプションとなり、その能力はバイエルン・ミュンヘンへの移籍の決め手の一つとなりました。
多彩なポジショニングと高いユーティリティ性
伊藤選手は主に左センターバック(LCB)としてプレーすることが多いですが、サイドバック(SB)やスイーパーの役割もこなすことができる、非常に柔軟な選手です。
バイエルンでは左サイドバックとしての起用も見込まれており、そのポジションでの攻守両面の貢献が期待されています。
また、元々ボランチとしてプレーしていた経歴もあり、足元の技術や視野の広さに優れています。
相手のプレスを受けても冷静にボールをさばくことができ、攻撃の組み立てに大きく貢献します。
加えて、高精度な縦パスやフィードを活かし、後方からのビルドアップの起点となることができます。
対人守備と空中戦の強さ
身長188cmの恵まれた体格を持つ伊藤選手は、対人守備と空中戦でも高い能力を発揮します。
ドイツでは「空中戦マスター」と称されることもあり、セットプレーの攻守において重要な役割を担います。
特にブンデスリーガのようなフィジカルの強いリーグにおいても、各国代表級のストライカーと互角以上に渡り合うことができる点が評価されています。
また、スピードと柔軟性を兼ね備えているため、相手アタッカーに振り切られることが少なく、無理な体勢からでもスライディングでボールを奪取することができます。
そのスライディング技術は世界屈指であり、縦に突破を仕掛けた相手に対して正確なタイミングでボールを刈り取ることが可能です。
ファウルの少ないクリーンな守備
伊藤選手の守備の特徴として、ファウルの少なさが挙げられます。
2023-2024シーズンのデータによると、リーグ戦26試合に出場し、イエローカードはわずか1枚、ファウル数は16回と驚異的にクリーンなプレースタイルを誇ります。
ポジショニングと予測能力に優れているため、無理なタックルに頼らず、スマートに相手の攻撃を防ぐことができます。
攻撃参加とセットプレーでの貢献
伊藤選手の攻撃面での貢献も見逃せません。
元ボランチという経験を活かし、前線への攻撃参加も積極的に行います。
特に左サイドからの高精度クロスや、ゴール中央での強烈なシュートが得意であり、バイエルンでも有効な攻撃オプションとなる可能性があります。
セットプレー時には、身長を活かしてゴールを狙うだけでなく、ディフェンス面でも競り合いに強さを発揮します。
バイエルンのような強豪クラブにおいても、重要な局面で得点や守備の面での貢献が期待されます。
競争の激しいバイエルン・ミュンヘンでの挑戦
ビッグクラブであるバイエルン・ミュンヘンでは、激しいポジション争いが待っています。
ワールドクラスの選手たちと共にプレーする中で、伊藤選手の持ち味であるビルドアップ能力や対人守備の強さを発揮し、スタメンに定着できるかが注目されます。
特に、バイエルンでは後方からの攻撃参加が求められるため、伊藤選手のロングフィードや攻撃参加がどのように活かされるのか、今後のプレーに期待が高まります。
伊藤洋輝選手(イトウ ヒロキ)選手のプロフィールと経歴
プロフール
- 現所属: FCバイエルン・ミュンヘン
- 背番号:21
- ポジション:DF
- 生年月日:1999年5月12日
- 身長/体重:188cm/81kg
- 出身地:静岡県浜松市中央区出身
経歴
所属
ジュビロ磐田U-15→ジュビロ磐田U-18→ジュビロ磐田→名古屋グランパス(期限付き移籍)→ジュビロ磐田→VfBシュトゥットガルト (期限付き移籍) )→VfBシュトゥットガルト→FCバイエルン・ミュンヘン
代表
- 2022年~:日本代表(2022年6月2日パラグアイ戦でA代表デビュー)
- 2019年:U-20日本代表
- 2018年:U-21日本代表、U-19日本代表
- 2017年:U-20日本代表、U-19日本代表、U-18日本代表
- 2016年:U-19日本代表、U-18日本代表
- 2015年:U-18日本代表、U-17日本代表、U-16日本代表
- 2014年:U-15日本代表
コメント